会長挨拶

第35回日本リウマチ学会近畿支部学術集会
会長 武内 徹
大阪医科薬科大学 リウマチ膠原病内科 教授
この度、第35回日本リウマチ学会近畿学術集会を2026年9月5日(土)から6日(日)の2日間、神戸国際会議場において開催させていただくことになりました。
本学術集会のテーマは「飛翔―リウマチ学の新たな潮流—患者さんと共に」で、リウマチ性疾患に苦しむ患者さんのQOL向上に貢献するため、最新の知見と治療戦略を共有し、明日への医療を創造することを目的としております。
関節リウマチ診療は、新たな診断法や分子標的薬の登場により飛躍的な進歩を遂げ、多くの患者さんが治療目標である寛解を達成できるようになりました。しかしながら、高齢者や合併症、妊娠・出産などにおいては未だ議論をすべき課題が残っています。また、全身性エリテマトーデスや血管炎症候群といった疾患においては、新たな分子標的薬の開発が進み、グルココルチコイドの減量・中止を目指す医療が求められています。新たな治療法の確立が望まれる全身性強皮症や自己炎症性疾患、膠原病に伴う間質性肺疾患・肺高血圧症などの疾患や病態もあり、これからの研究と医療の発展が強く望まれています。
本学会では、これらの喫緊の課題に対し、多角的な視点から議論を深めます。具体的には、他科専門医やコメディカルとの連携強化による集学的治療の推進、若手医師の育成を通じた将来のリウマチ学の担い手確保、リウマチ診療におけるAIの応用、そして何よりも患者さんを中心とした医療の実現に向けた方策を模索してまいります。
本学会が、リウマチ性疾患に苦しむ患者さんの希望となり、リウマチ学の新たな飛翔に繋がるよう、関係者一同、鋭意準備を進めてまいります。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。
2025年9月